【生産方式の過去問解説】適切でないものはどれか

特級過去問解説

今回は、生産に関する基本用語を問う問題です。
工場管理や生産管理の分野ではよく出るテーマなので、用語の意味を整理しながら見ていきましょう。


問題

生産に関する記述のうち、適切でないものはどれか。

ジャストインタイムとは、すべての工程が、後工程の要求に合わせて、必要な物を、必要な時に、必要な量だけ生産(供給)する方式である。
製番管理方式は、個々の注文に対して受注毎に受注単位(ロット)で製番を割り当てる生産方式である。
プロセス生産とは、部品を加工または購入し、それらの部品を組立基準書などに基づき順次組み立てて、製品を作る生産方式である。
セル生産方式とは、グループテクノロジによって製造すべき多種の部品を類似のグループ(ファミリ)に分けるとともに、各ファミリの製造工程を1人または数人の作業者が作り上げる方式である。
少種多量の安価な製品を生産するのには、受注生産よりも見込生産が適している。


解答

正解:ウ


解説

この問題では、生産方式に関する基本用語の意味を正しく理解しているかが問われています。
特にポイントになるのは、プロセス生産組立生産の違いです。

では、各選択肢を順番に見ていきます。


アの解説

ア:適切

ジャストインタイム(JIT)は、
「必要な物を、必要な時に、必要な量だけ」生産・供給する方式です。

後工程が必要とする分だけ前工程がつくる、という考え方が基本で、
在庫をできるだけ持たず、ムダを減らす生産方式として知られています。

そのため、この記述は正しいです。


イの解説

イ:適切

製番管理方式とは、注文ごと、あるいはロットごとに**製造番号(製番)**を割り当てて管理する方式です。

個別受注品や特注品など、案件ごとに原価や進捗を管理したい場合によく使われます。
したがって、この記述も適切です。


ウの解説

ウ:不適切

これが誤りです。

選択肢では、

部品を加工または購入し、それらの部品を組立基準書などに基づき順次組み立てて、製品を作る生産方式

とありますが、これはプロセス生産ではなく、組立生産の説明です。

プロセス生産とは

プロセス生産は、主に化学・食品・石油・医薬品のように、
原材料を連続的な工程で処理・変化させて製品をつくる方式です。

たとえば、

  • 石油精製
  • 飲料製造
  • 化学製品の製造

などが代表例です。

一方で、部品を順番に組み立てて製品を完成させるのは、
自動車、家電、機械などに見られる組立生産です。

つまり、選択肢ウは用語の説明が入れ替わっているため不適切です。


エの解説

エ:適切

セル生産方式は、類似した部品や製品をグループ化し、
そのグループごとに必要な工程をまとめて、1人または少人数で加工・組立を進める方式です。

多品種少量生産に向いており、作業の柔軟性が高いのが特徴です。
この記述は、グループテクノロジの考え方も含めておおむね適切です。


オの解説

オ:適切

少種多量で安価な製品を生産する場合は、
注文が入ってからつくる受注生産よりも、需要を見込んであらかじめ生産しておく見込生産のほうが適しています。

日用品や汎用品のように、需要がある程度見込める製品では、見込生産の方が効率的です。
そのため、この記述も正しいです。


まとめ

この問題の正解は です。

理由

選択肢ウは、プロセス生産の説明になっておらず、
実際には組立生産の説明になっているためです。


覚えておきたいポイント

  • ジャストインタイム:必要な物を、必要な時に、必要な量だけつくる
  • 製番管理方式:注文ごと・ロットごとに製番で管理する
  • プロセス生産:原材料を連続的に処理して製品化する
  • セル生産方式:少人数でまとまった工程を担当する
  • 見込生産:少種多量の製品に向く

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