生産管理や工場管理の問題では、
「これは何の管理に当たるのか」
を見分ける問題がよく出ます。
今回取り上げるのは、現品管理に関する基本問題です。
似た言葉に品質管理、文書管理、調達管理などがあるため、混同しやすいところでもあります。
では、問題を見ていきましょう。
問題
現品管理における管理項目の例として、適切なものはどれか。
- ア 製造ロットごとの製品不良率
- イ 生産に必要となる金型・治工具の準備
- ウ 図面や作業標準書などの保管状況
- エ 仕掛品などの停滞・保管状況
- オ 外注品の調達スケジュール
正解
エ 仕掛品などの停滞・保管状況
現品管理とは何か
この問題を解くカギは、まず現品管理の意味を正しく押さえることです。
現品管理とは、工場や生産現場にある材料、部品、仕掛品、完成品などの「モノ」そのものを管理することです。
たとえば、次のような内容が現品管理にあたります。
- どこに何があるか
- いくつあるか
- きちんと保管されているか
- 工程の途中で停滞していないか
- 取り違えや紛失が起きていないか
つまり、現品管理は現場に存在する実物の流れや保管状態を把握する管理だと考えるとわかりやすいです。
なぜ「エ」が正解なのか
エ 仕掛品などの停滞・保管状況は、現品管理の考え方にぴったり当てはまります。
仕掛品とは、まだ完成していない工程途中の製品のことです。
この仕掛品がどこにあるのか、どれだけ滞留しているのか、適切に保管されているのかを把握することは、まさに現品管理そのものです。
現場では、仕掛品が必要以上に停滞すると、次のような問題が起こります。
- 工程の流れが悪くなる
- 在庫が増える
- 紛失や取り違えのリスクが高まる
- 生産リードタイムが長くなる
そのため、停滞状況や保管状況を管理することは、現品管理の重要な項目だといえます。
他の選択肢が違う理由
ア 製造ロットごとの製品不良率
これは品質管理の項目です。
不良率は、製品の良し悪しや品質のばらつきを把握するための指標です。
現品管理が扱うのは「モノの所在や状態」であり、「品質の良否」を直接見るものではありません。
イ 生産に必要となる金型・治工具の準備
これは生産準備や段取り管理に関する内容です。
金型や治工具は現場で使う実物ではありますが、ここで問われているのは「準備すること」です。
そのため、現品管理というよりは、生産を始めるための準備や手配の管理にあたります。
ウ 図面や作業標準書などの保管状況
これは文書管理です。
図面や作業標準書は製造に必要な情報ですが、現品管理で中心となるのは材料や部品、仕掛品、完成品といった実物です。
文書の保管状況は別の管理分野と考えます。
オ 外注品の調達スケジュール
これは購買管理または調達管理にあたります。
外注品をいつ、どこから、どれだけ調達するかという内容は、現場にあるモノの管理ではなく、調達計画や手配の管理です。
したがって、現品管理の項目とはいえません。
この問題のポイント
この手の問題では、選択肢を見たときに
「それは“モノそのもの”の流れや保管を管理しているか?」
と考えるのがコツです。
今回の選択肢を整理すると、次のようになります。
- 不良率 → 品質管理
- 金型・治工具の準備 → 生産準備
- 図面や標準書の保管 → 文書管理
- 仕掛品の停滞・保管 → 現品管理
- 外注品の調達スケジュール → 調達管理
このように分類できれば、迷わず正解を選べます。
まとめ
現品管理とは、材料・部品・仕掛品・完成品などの実物について、所在、数量、停滞、保管状態などを管理することです。
そのため、現品管理の管理項目の例として適切なのは、
エ 仕掛品などの停滞・保管状況
です。
似た分野との違いを整理して覚えておくと、試験でも実務でも役立ちます。
特に、品質管理・文書管理・調達管理との違いはあわせて押さえておくと理解が深まります。

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