【2025年 問題9】標準時間に関する正しい記述を解説

特級過去問解説

今回は、2025年 問題9で出題された標準時間について解説します。

問題文そのものは掲載せず、出題のポイントを整理しながら、どの考え方が正しいのかを確認していきます。

標準時間は、生産管理や作業管理でよく出題される重要テーマです。

特に、次のような用語の違いを理解しているかが問われます。

正味時間

余裕時間

標準時間

レイティング

PTS法

標準時間資料法

それぞれの意味を整理しておくと、選択肢の判断がしやすくなります。

標準時間とは

標準時間とは、一定の作業条件のもとで、標準的な熟練度を持つ作業者が、普通の努力で作業を行うときに必要とされる時間のことです。

簡単にいうと、ムリなく標準的に作業を完了するために必要な時間です。

標準時間は、単に実際の作業時間をそのまま使うわけではありません。

作業そのものに必要な時間に加えて、疲労や用事、作業上避けられない遅れなども考慮します。

正味時間と余裕時間の違い

標準時間を理解するうえで大切なのが、正味時間余裕時間の違いです。

正味時間とは、作業そのものを行うために必要な基本的な時間です。

一方、余裕時間とは、作業中に避けられない休憩や遅れなどを考慮した時間です。

たとえば、余裕時間には次のようなものがあります。

疲労余裕
作業による疲れを回復するための余裕です。

用達余裕
トイレや水分補給など、生理的・個人的な用事のための余裕です。

作業余裕
作業上避けられない小さな遅れや調整のための余裕です。

つまり、疲労余裕は正味時間に含まれるのではなく、余裕時間に含まれるものです。

PTS法とレイティング

PTS法とは、作業を基本動作に分解し、あらかじめ定められた時間値を使って作業時間を求める方法です。

代表的なものに、MTM法やWF法などがあります。

PTS法では、動作ごとに標準的な時間値がすでに設定されています。

そのため、ストップウォッチで実測した時間を作業者の速さに応じて補正する、いわゆるレイティングは基本的に必要ありません。

レイティングが必要になるのは、主に時間研究で実測時間を評価するときです。

したがって、PTS法で正味時間を求めるときにレイティングが必要である、という考え方は適切ではありません。

準備段取作業時間は標準時間に含まれることがある

標準時間は、作業にかかる時間から準備段取作業時間を除いたもの、という考え方も誤りです。

実際には、標準時間には主作業時間だけでなく、必要に応じて準備段取作業時間も含めて考えることがあります。

たとえば、機械の準備、工具の取り付け、材料のセットなどは、生産を行ううえで必要な時間です。

そのため、標準時間を考えるときには、作業そのものの時間だけでなく、準備や段取りに関する時間も無視できません。

外掛け法と内掛け法の違い

標準時間を求めるときには、余裕率の扱い方として、外掛け法内掛け法があります。

外掛け法では、正味時間に対して余裕率を加えて標準時間を求めます。

式で表すと、次のようになります。

標準時間 = 正味時間 ×(1+余裕率)

一方、内掛け法では、標準時間全体に対する余裕の割合として計算します。

式で表すと、次のようになります。

標準時間 = 正味時間 ÷(1-余裕率)

たとえば、正味時間が100分、余裕率が20%の場合を考えます。

外掛け法では、

100 × 1.20 = 120分

になります。

内掛け法では、

100 ÷ 0.80 = 125分

になります。

つまり、同じ余裕率で計算した場合、内掛け法の方が外掛け法より標準時間は大きくなります

そのため、外掛け法の方が内掛け法より値が大きくなる、という考え方は誤りです。

標準時間資料法とは

標準時間資料法とは、過去に分析して作成した標準時間データを資料として蓄積し、似た作業や同種の作業に活用する方法です。

毎回ゼロから作業分析を行うのではなく、すでにある標準時間資料を利用することで、分析の手間を減らすことができます。

たとえば、過去に似た部品加工や組立作業の標準時間を求めていれば、それを新しい作業の時間設定に活用できます。

これにより、同じような作業に対して、重複して分析を行うことを避けられます。

この考え方が、今回の問題で正しい記述になります。

2025年 問題9のポイント

2025年 問題9では、標準時間に関する複数の記述の中から、正しいものを選ぶ問題でした。

ポイントは、次のとおりです。

疲労余裕は正味時間ではなく、余裕時間に含まれる。

PTS法では、あらかじめ定められた時間値を使うため、基本的にレイティングは不要。

標準時間は、準備段取作業時間を必ず除いた時間ではない。

同じ余裕率なら、内掛け法の方が外掛け法より標準時間は大きくなる。

標準時間資料法を使うと、同種作業の分析を重複して行うことを避けられる。

結論

2025年 問題9で適切な記述は、標準時間資料法を用いることで、同種の仕事に対して同じ分析を重複して行うことを避けられるという内容です。

標準時間資料法は、過去に作成した標準時間のデータを活用する方法です。

そのため、似た作業や同じ種類の作業について、毎回最初から分析する必要がなくなります。

標準時間の問題では、用語の意味をなんとなく覚えるだけではなく、

正味時間と余裕時間の違い

PTS法とレイティングの関係

外掛け法と内掛け法の計算結果の違い

標準時間資料法の目的

を整理しておくことが大切です。

コメント