【2025年 問題8】在庫管理に関する不適切な記述を解説

特級過去問解説

今回は、2025年 問題8で出題された在庫管理について解説します。

問題文そのものは掲載せず、出題のポイントを整理しながら、どの考え方が適切でないのかを確認していきます。

今回のテーマは、在庫管理の中でも、

生産方式と在庫の関係

が中心です。

在庫管理では、単に「在庫は少ない方がよい」と考えるだけでは不十分です。

生産方式によって、持つべき在庫の種類や目的が変わるためです。

在庫管理とは

在庫管理とは、必要なときに必要なものを供給できるように、原材料・部品・仕掛品・製品などの在庫を適切に管理することです。

在庫が多すぎると、保管費用や資金負担が増えます。

一方で、在庫が少なすぎると、欠品や納期遅れが発生しやすくなります。

そのため、在庫管理では、多すぎず少なすぎない適切な在庫量を考えることが重要です。

生産方式によって在庫の持ち方は変わる

在庫管理を考えるときは、生産方式との関係を押さえておく必要があります。

代表的な生産方式には、次のようなものがあります。

連続生産方式は、同じ製品を連続的に大量生産する方式です。

個別生産方式は、顧客ごとの注文や仕様に合わせて生産する方式です。

ロット生産方式は、一定数量をまとめて生産する方式です。

それぞれの方式で、在庫の持ち方は異なります。

連続生産方式では製品在庫を持つことが多い

今回の問題で特に注意したいのが、連続生産方式に関する考え方です。

連続生産方式は、同じ製品を継続的に生産する方式です。

大量生産や見込み生産と結びつくことが多く、需要予測に基づいて生産する場合もあります。

そのため、需要の変動にまったく影響されないわけではありません。

むしろ、需要が予想より少なければ製品在庫が増え、需要が予想より多ければ欠品のリスクが生じます。

したがって、

連続生産方式だから製品在庫を持つ必要がない

という考え方は適切ではありません。

ここが、2025年 問題8の大きなポイントです。

個別生産方式と在庫

個別生産方式では、顧客ごとに仕様が異なるため、完成品としての製品在庫は持ちにくいです。

たとえば、受注生産のように、注文を受けてから製品を作る場合、あらかじめ完成品を大量に在庫しておくことは難しくなります。

そのかわり、共通して使える資材や部品、あるいは生産者側で標準的に準備できる部材を在庫しておくことで、生産リードタイムの短縮を図ることがあります。

つまり、個別生産方式では、完成品在庫よりも、資材や部品の在庫管理が重要になります。

ロット生産方式と在庫

ロット生産方式では、一定数量をまとめて生産します。

この方式では、段取り替えの回数を減らすために、1回あたりの生産数量を大きくすることがあります。

しかし、ロットを大きくすると、一度にたくさん作ることになるため、在庫量が増えやすくなります。

つまり、段取り効率を上げることと、在庫を減らすことは、必ずしも両立しません。

そのため、ロット生産方式では、

どの製品を、いつ、どれだけ生産するか

を考えるロット・スケジューリングが重要になります。

緩衝在庫とは

緩衝在庫とは、需要変動や納品遅れなどの不確実性に備えるための在庫です。

たとえば、仕入先からの納品が遅れた場合でも、一定の資材在庫があれば、生産をすぐに止めずに済みます。

このように、トラブルや変動に対するクッションの役割を果たす在庫が緩衝在庫です。

在庫は少ない方がよいとされる一方で、現実には不確実性への備えとして、一定の在庫を持つ必要があります。

経済発注量とは

経済発注量とは、在庫管理でよく出てくる重要な考え方です。

発注には、注文手続きや輸送手配などにかかる発注費用があります。

一方で、在庫を持つと、保管費用や資金負担などの在庫保管費用が発生します。

発注量を少なくすると、発注回数が増えるため発注費用が増えます。

反対に、発注量を多くすると、在庫量が増えるため在庫保管費用が増えます。

この2つの費用のバランスを考え、合計費用が最小になる発注量を求めるのが、経済発注量の考え方です。

2025年 問題8のポイント

2025年 問題8では、在庫管理に関する複数の記述の中から、不適切なものを判断する問題でした。

ポイントは、次のとおりです。

連続生産方式は、需要変動の影響を受けないわけではない。

連続生産方式でも、製品在庫を持つことがある。

したがって、連続生産方式では製品在庫を持つ必要がない、という考え方は適切ではありません。

結論

2025年 問題8で不適切な記述は、連続生産方式では需要変動に影響されず、製品在庫を持つ必要がないという趣旨の記述です。

連続生産方式は、同じ製品を継続的に生産する方式ですが、需要の変動とは無関係ではありません。

需要より多く作れば在庫が増え、需要より少なければ欠品が発生する可能性があります。

そのため、連続生産方式でも在庫管理は重要です。

この問題では、「どの生産方式では、どの在庫を持ちやすいのか」を整理しておくことが大切です。

在庫管理の問題では、在庫の種類だけでなく、生産方式との関係まで合わせて理解しておきましょう。

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