【機械保全技能検定】2023年 問題5     原価計算(部門費配賦)の解説|A製品1個当たり原価の求め方

特級過去問解説

機械保全技能検定の計算問題では、数字を暗記するよりも 「どの費用を、どの基準で配賦し、1個当たりに直すか」の流れを理解するのが重要です。 本記事では、2023年度の問題5を例に、部門費配賦とA製品の原価計算をブログ形式でわかりやすく解説します。


1. 問題のポイント(全体の流れ)

この問題は、次の順番で処理するとスムーズです。

  1. 工場管理部門費を「作業者数」で配賦
  2. 補助経営部門費を「作業時間」で配賦
  3. 加工部門・組立部門の時間当たり費用(時間単価)を計算
  4. A製品1個当たりの原価=材料費+加工費+組立費

よくあるミス:
材料費が「1か月分(合計)」で与えられているため、1個当たりに直さずそのまま足してしまう。


2. 前提条件の整理

2-1. 生産数量(1か月)

  • A製品:20個
  • B製品:40個

2-2. 作業人数・作業時間(時間/個)

部門製品作業者(人)作業時間(時間/個)
加工部門A55
加工部門B515
組立部門A1015
組立部門B1025

2-3. 1か月の部門毎の費用

  • 工場管理部門費:3,000,000円
  • 補助経営部門費:2,000,000円
  • 加工部門費:3,500,000円
  • 組立部門費:7,000,000円

3. 設問1|組立部門の工場管理部門費(配賦)

工場管理部門費は作業者数比で配賦します。
加工部門:5人、組立部門:10人 → 合計15人

組立部門への配賦割合:10 / 15 = 2/3
組立部門の工場管理部門費:3,000,000 × 2/3 = 2,000,000円


4. 設問2|加工部門の補助経営部門費(配賦)

補助経営部門費は作業時間比で配賦します。まず月間作業時間を計算します。

4-1. 月間作業時間

  • 加工部門:A(20×5)=100時間、B(40×15)=600時間 → 合計700時間
  • 組立部門:A(20×15)=300時間、B(40×25)=1000時間 → 合計1,300時間

全体:700+1,300=2,000時間

加工部門の配賦額:2,000,000 × (700 / 2,000) = 700,000円


5. 設問3|加工部門の時間当たり加工費(時間単価)

加工部門に集まる総費用(加工部門費+配賦費)を合計し、加工部門の総時間で割ります。

5-1. 工場管理部門費の加工部門配賦

工場管理部門費は作業者数比:加工部門は5/15

3,000,000 × (5/15) = 1,000,000円

5-2. 加工部門の総費用

  • 加工部門費:3,500,000円
  • 工場管理部門費(配賦):1,000,000円
  • 補助経営部門費(配賦):700,000円

合計:3,500,000+1,000,000+700,000=5,200,000円

5-3. 時間当たり加工費

5,200,000 ÷ 700時間 = 約7,429円/時間


6. 設問4|A製品1個当たりの原価

A製品1個当たり原価は、材料費(1個当たり)+加工費+組立費です。
ここで重要なのが、材料費は「1か月分」なので必ず1個当たりに割ることです。

6-1. 材料費(1個当たり)

A製品の材料費(1か月):400,000円
A製品の生産数:20個
→ 400,000 ÷ 20 = 20,000円/個

6-2. 加工費(A)

Aの加工時間は5時間/個

7,429 × 5 = 37,145円

6-3. 組立費(A)

組立部門も同じく「総費用 ÷ 総時間」で時間単価を出します。

組立部門の配賦額

  • 工場管理部門費(組立):2,000,000円(設問1)
  • 補助経営部門費(組立):2,000,000 − 700,000 = 1,300,000円

組立部門の総費用

7,000,000+2,000,000+1,300,000=10,300,000円

組立部門の時間単価

10,300,000 ÷ 1,300時間 ≒ 7,923円/時間

Aの組立費

Aの組立時間は15時間/個

7,923 × 15 = 118,845円

6-4. A製品1個当たり原価(合計)

材料費:20,000円
+ 加工費:37,145円
+ 組立費:118,845円
175,990円

注意:
「175,990円+材料費400,000円=575,990円」は誤りです。
400,000円は1か月分(20個分)なので、必ず「÷20」で1個当たりに直してから足します。


7. まとめ(試験で点を取るコツ)

  • 配賦基準を確認:工場管理=人数補助経営=時間
  • 部門費は必ず「合計してから」時間で割る
  • 材料費は月額で出ることがある → 必ず1個当たりに割る

この流れを覚えると、同じタイプの問題は安定して解けるようになります。

コメント

  1. 廣瀬 より:

    解説を追加していただきありがとうございます。
    公式HPの2023年実技問題5の設問4の回答がコ555,990となっているのは間違いという認識で良いでしょうか?
    私も175,990が正しいと考えています。