製造原価の算出2024年【問題5】詳解(材料費・労務費・経費)

特級過去問解説

本記事では「製造原価の算出」に関する問題文の空欄(①〜⑩)を、語群から選ぶ形式で整理しつつ、 実務イメージが湧くように丁寧に解説します。試験対策としても頻出ポイントです。

①〜⑩の正解一覧(結論)

空欄正解語群記号
継続記録
在庫
先入先出
平均
工数
段取時間
発生
棚卸
サービス
損益計算

材料費の解説

材料消費量の把握方法(2通り)

① 継続記録法(カ)

継続記録法は、材料元帳に受入量・払出量・残高をその都度記入して管理する方法です。 常に在庫が把握できるため管理精度は高い一方、記録作業の手間は増えます。

  • メリット:リアルタイムで在庫が分かる/管理精度が高い
  • デメリット:記入・管理の手間がかかる

② 計算法(棚卸法):期末実地(在庫)(ク)

計算法(棚卸法)は、材料の消費量を「期末の実地棚卸(在庫)」で把握し、次の式で計算します。

材料消費量 = 期首在庫 + 当期受入量 − 期末在庫
  • メリット:日々の記録負担が軽い
  • デメリット:期末棚卸の精度に左右される(棚卸差異が出やすい)

材料の消費価格(単価)の計算方法

個別法

個別法は、受け入れた材料を個々に保管・管理し、払出時に「どの材料を消費したか」を明確にして単価を決める方法です。 高価な材料や特注品など、個別識別が必要な場合に向きます。

③ 先入先出法(ウ)

先入先出法は「先に購入した材料から使用する」と仮定して単価を決める方法です。 購入時期の古い材料の単価から順に適用されます。

  • 物価上昇局面:原価が低めになりやすい → 利益が高めに見える傾向
  • 物価下落局面:原価が高めになりやすい → 利益が低めに見える傾向

④ 移動平均法(シ)

移動平均法は、材料を受け入れるたびに平均単価を再計算し、その平均単価で払出単価を決める方法です。 単価変動を平準化できるため、実務でもよく採用されます。


労務費の解説

労務費の基本式:作業時間 × 工数単価

労務費は次の式で求めます。ここで空欄⑤は工数です。

労務費 = 作業時間 × 工数単価(⑤:工数)

直接作業時間に含まれるもの:加工時間+段取時間(⑥)

作業時間は「直接作業時間」と「間接作業時間」に分けます。直接作業時間には加工時間段取時間が含まれます。 よって空欄⑥は段取時間です。

  • 直接作業時間:加工時間、段取時間(⑥:ナ)
  • 間接作業時間:待ち時間、手待ち時間、雑務など

経費の解説

経費は、製品との関連が直接は追いにくいものが多く、一般に間接費として処理されます。 把握方法の違いにより、次の4つに分類して計算されます。

  1. ⑦ 発生経費(キ):旅費交通費、通信費など
    → 発生した時点で金額を把握しやすい経費
  2. ⑧ 棚卸経費(タ):減価償却費、年払い保険料など
    → 期間対応のため、棚卸処理が関係する経費
  3. ⑨ サービス経費(テ):ガス代、電気代、水道料金など
    → 供給サービスの使用量に応じて発生する経費
  4. ⑩ 損益計算経費(セ):不良による仕損費など
    → 結果として損益計算で把握されやすい経費

試験対策:ここだけ押さえる!

  • 材料消費量は「継続記録法」と「棚卸法(計算法)」の違いが頻出
  • 単価計算は「先入先出」「移動平均」をセットで覚える
  • 労務費は「段取時間=直接作業」に注意(引っかけポイント)
  • 経費は「発生・棚卸・サービス・損益計算」の分類理由を理解する

以上が、製造原価(材料費・労務費・経費)の算出に関する要点です。理解が深まるほど、用語問題だけでなく計算問題にも強くなります。

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