金属材料の表面処理とは?種類・特徴・試験で狙われるポイントまとめ

特級過去問解説

金属材料はそのままでは摩耗・腐食・疲労に弱いため、
用途に応じて 表面を強化したり、保護膜を形成したりする処理(表面処理) が行われます。

ここでは、機械保全技能検定でも頻出の
浸炭・窒化・めっき・溶射 などをわかりやすく解説します。


金属材料の代表的な表面処理


浸炭(Carburizing)

低炭素鋼(例:S15C・SPCCなど)に炭素を浸み込ませ、表層を硬くする方法。

特徴

  • 表面だけ硬く(高炭素層)、内部は粘り強く(低炭素のまま)
  • 浸炭後は必ず「焼入れ・焼戻し」を行う(試験ポイント)
  • 歯車・シャフト・ピンなどに使用

試験で狙われるポイント

✔ 浸炭は 低炭素鋼に使用される
✔ 浸炭後は 焼入れと焼戻し を行う
✔ 浸炭窒化を行うと硬度が上がる


窒化(Nitriding)

鋼材表面に窒素を拡散させ、高硬度の硬化層を形成する処理。

特徴

  • 低温処理で変形しにくい
  • 工具鋼や合金鋼に多用
  • 疲労強度・耐摩耗性が向上

※誤り例
✖「窒化は表面を軟らかくする」 → 逆。硬くする処理。


めっき(Plating)

金属表面に別の金属を薄く被せ、耐食性や外観を改善する処理。


ニッケルめっき(Niめっき)

● 光沢ニッケル

  • 光沢剤を添加して明るい仕上げ
  • 半光沢(無光沢)ニッケルより腐食しやすい(試験ポイント)

● 無光沢ニッケル(半光沢ニッケル)

  • 光沢剤なし
  • 光沢ニッケルより耐食性が高い

試験ポイント

✔ 光沢ニッケルの方が腐食しやすい
✔ 光沢ニッケルの方が硬度に優れる


クロムめっき

  • 工業用クロム:硬度◎、耐摩耗性◎、厚い
  • 装飾クロム:薄い

※誤り例
✖「工業用クロムは装飾クロムより薄い」→ 逆。

※補足

  • Niめっき → Crめっきの順で被覆すると割れやピンホール対策になる。

溶射(Thermal Spraying)

金属やセラミックの粉末を高温で溶かし、
吹き付けて皮膜を形成する技術。

特徴

  • 摩耗・耐食・断熱などを強化
  • 大きな部品にも施工可能

※試験ポイント
✔ 「溶射は材料を溶融して吹き付ける」が正しい
✔ めっきではない(湿式・乾式とも異なる)


金属材料に関する試験で出やすい知識


炭素鋼・合金鋼の基礎

● S45C

  • 中炭素鋼
  • 熱処理して硬度を上げて使用(正しい)

● SS400

  • 一般構造用鋼
  • 引張強さは FC200(ねずみ鋳鉄)より大きい → 正しい

ステンレス鋼(試験定番)

✔ SUS440C は非常に硬い(マルテンサイト系)

✔ SUS302 < SUS440C(硬さ)

✔ フェライト系ステンレスは熱処理硬化しない

※ひっかけ
✖ 「SUS410はSUS304より防錆性が高い」→ 誤り
(304の方が耐食性が高い)


試験に出る「適切/不適切」まとめ


【正しい】

  • 浸炭は低炭素鋼に使用
  • 浸炭後は焼入れ・焼戻しが必要
  • 光沢ニッケルの方が硬度が高い
  • SS400 は FC200 より引張強さ大
  • マルテンサイト系(SUS440C)は熱処理で硬くなる
  • フェライト系は熱処理硬化しない

【誤り】

  • 光沢ニッケルの方が耐食性が高い → ✖
  • 工業用クロムは薄い → ✖
  • SUS410 は SUS304 より耐食性に優れる → ✖

まとめ:表面処理は「目的別に使い分ける」のがポイント

金属材料の表面処理は、
何の性能を向上させたいか で選ぶことが重要です。

  • 耐摩耗性 → 浸炭・窒化
  • 耐食性 → ニッケル・クロムめっき
  • 摩耗&耐食 → 無光沢ニッケル
  • 厚膜・特殊材料 → 溶射

技能検定では「正しい組合せ」「誤り知識」が頻出なので、
本記事のまとめ部分を押さえておけば得点源になります!

コメント

  1. 中川 将志 より:

    特級学科試験のアルミニウムの抵抗値の解き方を教えてください。

  2. 廣瀬 より:

    無光沢ニッケルメッキと光沢ニッケルメッキでは、無光沢の方が柔らかいが正しいと思います。