電気設備や制御機器の保守では、
「ノイズ対策」と「絶縁の耐熱クラス」 が頻出テーマです。
この記事では、それぞれの仕組み・特徴・試験で狙われやすいポイントを
わかりやすく解説し、最後にまとめを掲載します。
1. 電気絶縁の耐熱クラス(JIS C 4003:2010)とは?
電気機器の絶縁材料は、使用できる最高温度によって「耐熱クラス」が定められています。
▶ 主な耐熱クラス
| クラス | 許容最高温度(℃) | 特徴 |
|---|---|---|
| Y種 | 90℃ | 古い紙・布などの低耐熱材料 |
| A種 | 105℃ | セルロース系材料 |
| E種 | 120℃ | 改良セルロース系材料 |
| B種 | 130℃ | 難燃処理された絶縁材料 |
| F種 | 155℃ | 合成樹脂含浸材料 |
| H種 | 180℃ | シリコン系樹脂など(※試験ではほぼ登場しない) |
試験のポイント
- 許容最高温度がもっとも高いのは?
→ F種(155℃) が選択肢の中では最も高い
※ H 種が選択肢にない場合は F 種が正解になるパターンが多い
2. ノイズの種類と対策(超重要)
電気ノイズは、制御機器やセンサの誤動作の大きな原因です。
ノイズにはいくつか種類があり、対策も異なります。
■ 静電誘導ノイズ(静電容量性)
近くの電力線などの電位変化が原因で誘導されるノイズ。
【対策】
- シールド線を片側接地(1点接地)する
→ ✖ 両端接地すると、逆にノイズループができ悪化する - ケーブルを金属ダクトに収める
- シールドを確実にアースへ落とす
試験ポイント:両端接地は不適切!
■ 電磁誘導ノイズ(磁界による誘導)
モーター・電磁弁・トランスなどから発生。
【対策】
- 信号線を撚り合わせる(ツイストペア)
→ 互いの誘導を打ち消し合う - 電力線と信号線の離隔を保つ
- ケーブルを直角に交差させる(並走させない)
■ 放射ノイズ(電波として飛ぶ)
インバータ・スイッチング電源など。
【対策】
- 銅テープでケーブルを巻き遮蔽
- 金属ケースに収納
- ノイズフィルタ(ノイズカットトランス)を入れる
■ 接地(アース)対策
接地はノイズ対策の基本ですが、目的に合わせて分ける必要があります。
| 基準 | 適切な方法 |
|---|---|
| 動力線の接地 | 動力設備用にまとめる |
| 信号線の接地 | 信号専用の接地を使う(分離) |
→ 動力線と信号線のアースは別にするのが正しい
3. 試験で狙われる「適切でないもの」ポイント
以下は試験でよく出るひっかけです。
✖ 静電誘導ノイズ対策でシールド線を“両端”接地する
→ 不適切(必ず片側接地)
✖ 動力線と信号線のアースを同一にする
→ 不適切
✖ 銅テープを巻くだけで電磁誘導ノイズを完全に除去できる
→ 放射ノイズには有効だが万能ではない
(電磁誘導 → ツイストペアが基本)
4. ブログまとめ
■ 電気絶縁の耐熱クラス
- 温度が最も高いのは F種(155℃)
- 絶縁材料の耐熱性を示す基準
- 安全設計やモーターの選定で重要
■ ノイズ対策の要点
- 静電誘導ノイズ → シールド片側接地(両端はNG)
- 電磁誘導ノイズ → 撚り線(ツイストペア)で打ち消す
- 放射ノイズ → 銅テープや金属ケースで遮蔽
- 動力線と信号線のアースは分ける
■ 試験のひっかけ例
- シールド線「両端接地」→ × 不正解
- 動力線と信号線の同一アース → × 不正解


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