機械保全1級の中でも、毎年必ず出題される 設備保全/信頼性/測定器 の分野。
この記事では、次の3テーマをわかりやすく整理しています。
- 保全の基本用語
- 設備の信頼性(MTBF・MTTR・アベイラビリティ・FMEAほか)
- 点検で使う主要測定器の特徴
最後にまとめも付けていますので、試験前の見直しにも使えます。
◆ 1. 保全に関する基礎知識(TPM・保全方式)
● 保全とは?
設備を 正常・良好な状態に保つ活動全般 をいう。
- 故障の排除(修理)
- 劣化の測定・調整
- 交換・整備・清掃 など
つまり
👉 設備の健康管理 を行うこと。
● 専門保全 vs 事後保全 vs 予防保全
■ 専門保全(×誤解しやすい)
保全専門部署が担当する保全
→ 製造部門が行うものではない
(製造部門保全は「自主管理保全」)
■ 事後保全(BM:Breakdown Maintenance)
壊れてから修理する保全
■ TBM(Time Based Maintenance:時間基準保全)
一定の時間や期間ごとに、計画的に点検や交換を行う
例)クレーンの月例点検
■ CBM(Condition Based Maintenance:状態基準保全)
劣化状態を測定し、必要なときに行う保全
例)振動、温度、摩耗量などで判断
■ 予知保全(Predictive Maintenance)
センサ測定・データ分析により、
故障発生時期を予測し、交換時期を決める保全
● 設備管理の範囲(JIS)
計画 → 設計 → 製作 → 調達 → 運用 → 保全 → 廃棄
👉 設備ライフサイクル全体を指す
試験ではよく
「設備管理は保全だけを対象とする」
→ ✗ 間違い
◆ 2. 設備の信頼性(MTBF・MTTR・アベイラビリティ・FMEA)
● MTBF(Mean Time Between Failures)
平均故障間隔
👉 故障と故障の間の平均稼働時間
計算式
MTBF =「動作時間の合計」÷「故障回数」
● MTTR(Mean Time To Repair)
平均修理時間
👉 修理に要した時間の平均
● アベイラビリティ(稼働率)
設備が使える割合
計算式
A = MTBF /(MTBF + MTTR)
ポイント
- MTTR↓(修理時間が短い) → A↑(稼働率上昇)
- MTTR↑ → A↓
試験では
「MTTRが減少するとアベイラビリティは減少する」 → ✗ 誤り
● FMEA(Failure Mode and Effects Analysis)
故障モード影響解析
- 故障モード
- 故障の影響
- 故障原因
を整理し、優先的に対策を決める手法。
注意点
- 下位アイテムではなく 上位アイテムの影響を見る
- “Effect(影響)” → 上位側に及ぶ
試験では逆にした選択肢がよく出る。
● 故障期間(バスタブ曲線)
故障率の変化を表した有名な曲線。
- 初期故障期間(初期不良)
- 偶発故障期間(ランダム)
- 摩耗故障期間(劣化が進んで増える)
例)
「偶発故障期間とは初期不良の期間である」 → ✗
◆ 3. 点検で使う代表的測定器の特徴
● 温度計
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 白金抵抗温度計 | 広範囲・高精度 |
| ニッケル抵抗温度計 | 白金より測定範囲が狭い(ד広い”) |
| 放射温度計 | 赤外線を測定。非接触。抵抗変化ではない |
● 流量計
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 電磁流量計 | 圧力・粘度の影響を受けない◎ |
| 容積式流量計 | 粘度が高いほど精度低下(×「良くなる」) |
| 差圧式流量計 | ガス・蒸気の測定に使用可 |
● 電気測定
- テスタのレンジは 最大レンジから始める
(×最小レンジ → 壊れる) - クランプメータ
単相2線式の電流測定は
👉 1本だけクランプする
(2本同時に挟むと電流が打ち消し合って 0A になる)
● シリンダゲージ
穴径が大きいとき
👉 指針はマイナス方向に振れる
(×プラスではない)
◆ 4. まとめ(試験にそのまま使える総復習)
✔ 保全は設備の健康管理の総称
- TBM:時間基準
- CBM:状態基準
- 予知保全:データによる予測
- 専門保全:保全部門が行う
✔ 信頼性指標
- MTBF:平均故障間隔
- MTTR:平均修理時間
- アベイラビリティ=MTBF /(MTBF + MTTR)
- FMEA:故障モード影響分析(上位アイテムへ影響)
✔ 測定器の特徴
- テスタは最大レンジから
- 電磁流量計は粘度の影響なし
- シリンダゲージは穴径が大きいとマイナス方向
- ニッケル温度計は白金より範囲が狭い


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