製造現場・設備保全・改善活動に欠かせないのが 「標準時間」。
作業を正しく評価し、生産計画・人員計画・原価管理まで影響する非常に重要な指標です。
しかし、
- 正味時間と余裕って何?
- PTS法と時間研究の違いは?
- 外掛け法と内掛け法どちらが大きくなる?
- 標準時間資料法って何が便利?
など、最初は混乱しやすいポイントも多いですよね。
この記事では、試験対策にも実務にも役立つように 標準時間の基礎から、主要手法の特徴、よくある出題ポイントまでわかりやすく解説 します!
1. 標準時間とは?
標準時間(Standard Time)は、
普通の熟練作業者が、標準的な作業方法で、無理なく達成できる作業時間 をいいます。
式で表すとこうなります。
▼ 標準時間の構成
標準時間 = 正味時間 ×(1+余裕率)
- 正味時間
実際に作業そのものにかかる時間 - 余裕
疲労・調整・段取り・不可避の中断などの補正
※正味時間に「疲労余裕」が含まれるわけではありません(試験でひっかけ!)。
2. 標準時間の主な設定方法
標準時間は大きく次の3つで求められます。
① 時間研究法(ストップウォッチ法)
実際の作業時間を測定し、レイティング(作業者の速さの評価)を用いて正味時間を求める方法。
特徴
- 現場の実測値を使うため精度が高い
- レイティングが必要
- 設定に時間がかかる
- 個人差が出やすい
② PTS法(Predetermined Time Systems:先行時間決定法)
作業を構成する基本動作(歩く・つかむ・置くなど)ごとに決められた時間値(MTM、WF法など)を使って正味時間を求める方法。
特徴
- レイティング不要
- 非常に高精度
- 時間はかかるが再現性が高い
- 新作・試作の時間設定に強い
③ 標準時間資料法(データバンク方式)
過去の作業分析データを資料化しておき、類似作業が出た時にその資料を用いて標準時間を設定する方法。
特徴(良い点)
- 標準時間設定が早い
- 一貫性が保たれる
- 同じ分析を何度もする必要がない
- 個人差が排除される
- 作業方法決定と時間設定を分業化できる
※試験では「標準時間の精度が向上する」=×
(精度は“データの質”に依存するため)
3. 外掛け法と内掛け法(試験頻出!)
余裕をどのように加えるかで、次の2種類があります。
外掛け法
正味時間に対し「外から」余裕率を掛ける。
標準時間=正味時間×(1+余裕率)
→ 内掛け法より標準時間が大きくなる(◎試験に出る)
内掛け法
正味時間=標準時間×(1−余裕率)
より厳しい値になるため 外掛け法より標準時間が小さい。
4. 試験で出るポイント整理
▼【標準時間資料法】適切でないもの
ア 標準時間の精度が向上する(×)
→精度が向上するとは限らない。データの質次第。
▼【標準時間】適切なもの
エ 標準時間を外掛け法で算出した場合、内掛け法より値が大きくなる(〇)
▼【標準時間】適切でないもの
ア PTS法によって正味時間を求める場合、レイティングは必要ない(×) →必要ないのは正しい? では?
→PTS法は レイティング不要(〇)
※「適切でないものを選べ」なので“不正解はイ・ウ・エ”
5. 標準時間が企業にもたらすメリット
- 生産計画が立てやすい
- 工数管理・人員計画が精密になる
- 原価精度が向上
- 改善効果を数字で評価できる
- 作業方法の標準化につながる
現場改善の根幹そのものです。
6. まとめ(試験暗記用)
✔ 標準時間とは
普通の熟練者が無理なくできる時間
標準時間=正味時間×(1+余裕率)
✔ 正味時間に余裕は含まれない
✔ PTS法はレイティング不要、精度が高い
✔ 標準時間資料法
- 設定が早い
- 一貫性が高い
- 個人差なし
- 同じ分析を繰り返さなくてよい
※精度向上とは限らない(試験ポイント)
✔ 外掛け法 > 内掛け法
外掛け法で標準時間は大きくなる


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